|
 | 2010-09-01(水) あんじゅう/宮部みゆき
|  |
あんじゅう 三島屋変調百物語事 続/宮部みゆき
中央公論新社/1,890円
 
●7月新刊●
三島屋の黒白の間を訪れる客が語るのはは不思議な話。
『おそろし』の続編。
◆前作の『おそろし』に比べると温かくほのぼのとした感じがするのは「くろすけ」可愛らしさとか、子どもたちによるところはあるのだと思うけど、でも一番大きいのは南伸坊さんの挿絵によるところが大きいのかも知れない。
新聞小説の時についていたものなのかな?単行本になる際は殆どなくなってしまうけど、やはりこうして付いているととてもいいですね。
ぜひ、他の新聞小説作品でもやっていただきたいですわ。
物語は「逃げ水」「藪から千本」「暗獣」「吼える仏」の4つに序と後日がついてます。
不思議な話から、怖い話など、その色合いは異なります。
そこに流れているのは人の思い…それはマイナスの感情や人の持つ怖さもあったりするのだけれど。
特に「藪から千本」は怖いよ〜。
だからこそ「くろすけ」が可愛く思えるのかもしれないし、より切なくなるんだろう。
このシリーズ好きだな〜。ぜひ百の話を集めてもらいたいもんですね。
できるだけ早く(笑
|
 | 2010-08-31(火) シューマンの指/奥泉光
|  |
シューマンの指/奥泉光
講談社/1,680円
 
●7月新刊●
旧友からの手紙は彼が異国の地で、ピアノを弾いていたというものだった…。
だとしたら指はどうしたのだろう…。
かつて私は音大に通っていたが、今は医師をしている。
私が憧れていたのは天才少年ピアニスト・永嶺修人。
同じ高校に通い、シューマンの音楽について言葉を交わしていた…。
◆ミステリという形式ではあるけれど、この作品はシューマンの音楽を描くことに重きをおいているのだと思います。
謎めいたものは最初から提示されるし、中盤以降で殺人事件も起きますし、ミステリとしての驚きもモチロンあるのです。
それよりも私の興味を引いたのは彼らの語るシューマンの音楽、そして音楽という芸術というものでありました。
「音楽はもうすでにある。それは人間が演奏するしないに関係なくもうここにある」という修人の語る音楽というもの、そして物語であると語るシューマンの音楽。
なんというのだろう、普通物語で描かれる音楽は音を通して人を語ろうというものであると思います。でもこの作品はその逆かも。
人を通して描かれるのは音楽、音にした所から壊れていくような芸術性というものではないでしょうか。それでいて物語自体にも不思議な魅力があるんですよね。
ある意味すごい本なんだと思います。まあ、その音楽という物を理解出来たかは別として…。
改めてシューマンの音楽を聴いてみたいと思います。
メモ;講談社のサイトでは作品に出てきたシューマンの音楽視聴可。
http://shop.kodansha.jp/bc/100/past/okuizumi_index.html
|
 | 2010-08-30(月) 雪迷宮/本宮ことは
|  |
雪迷宮/本宮ことは
幻冬舎コミックス/945円
 
歪みの穴から現れた異形により世界が滅坊としていたとき、一人の巫女が自らの胎内に、代々つながる血脈に封じようと名乗りをあげた。
王はその巫女に、立派な塔をたて、妃とし崇めることを約束する。
そして王の血も変わり、時代を経てもそれは変わらなかった。
三十七代目の巫女・雪もまた王との婚約が迫っていた…。
◆感情の揺さぶりが「門」を開いてしまう巫女と、その時のための「鍵」となる衛士・鑰との恋物語。
自覚してしまった想い、禁じられた恋、過去の巫女が想いを書いた書物。
雪の、巫女のその想いがなんとも切なくって、またその描き方が上手くてとてもよかったです。
ご都合的かもしれないけど、ちゃんと伏線はひいてあるし、ちゃんとそれはわかったし(読めなかった部分もあるけどね)そういった点でもとても面白く読めました。
甘さもあってとても好きかも。
|
 | 2010-08-29(日) ブレイズメス1990/海堂尊
|  |
ブレイズメス1990/海堂尊
講談社/1,680円
 
●7月新刊●
モナコの学会に行く事になった外科研修医・世良には1つの手紙が託されていた。
それはモナコから天才外科医・天城を東城大病院に招くものだった…。
◆『ブラックペアン1988』の続編。
『ブラックペアン〜』以降気になっていた世良がまた戻ってきました。
読んでしまうと彼が今後どうなるかがより気になってたりします。
なにしろ『チームバチスタ〜』はこの16年後ですし、しかも一応世良はあれで再登場してますから、読み手には過程は不明でも結果が判っているわけです。
そういうこともあって物語としては、上巻だけを読んでしまった感がどうしてもしてしまいます。
それでも興味をもって読ませるのは、強烈な天城のキャラクター設定とかシリーズの面々が気になったりする部分もあるからではないでしょうか。もちろん魅力は世良にもありますしね。
早くこの続きも読みたいものです。
|
 | 2010-08-27(金) アルバトロスは羽ばたかない/七河迦南
|  |
アルバトロスは羽ばたかない/七河迦南
東京創元社/1,995円


●7月新刊●
冬、高校の文化祭の日に起きた校舎屋上からの転落事件。
それは児童養護施設・七海学園に勤める保育士・北沢春菜がであった春からの出来事に関係するのか…。
◆『七つの海を照らす星』の続編。
前作は児童養護施設に伝わる七不思議を使った日常の謎系の連作短編で、よかったので2作目が出ると知って楽しみにしてました。
なんというか、すごく良かったですし、すごかったです!
春の「ハナミズキの咲く頃」から、もう泣きそうでした。夏の章の子供たちの覚悟も…ほんとに、その傷はとても悲しくって、また現実が思い出されます。
児童養護施設の子供たち、ここへ来るまでに受けた心の傷を癒していく謎解き。
そんな謎解きをまとめ、冬の転落事件へと物語は進むのですが、これが2作目ですか!
物語としてもミステリとしてもぐっと進歩したというか、すごいな〜と思います。
いや〜、今後が楽しみな作家となりました。
ぜひ前作『七つの海を照らす星』から読んでいただきたいですね。
これから読んでも問題はないけれど、前作から読んでいただいたほうが絶対にいいです。
|
 | 2010-08-26(木) 小鳥を愛した容疑者/大倉崇裕
|  |
小鳥を愛した容疑者/大倉崇裕
講談社/1,575円
 
●7月新刊●
負傷して最前線を離れた警部補・須藤友三が移動になったのは警視庁総務部総務課。
近年容疑者の飼っているペットはどうなるんだという声によってできた有名無実の部署だった。
そんな彼に仕事が回され、たった一人の部・薄巡査とともにペットの世話に向かうが…。
◆リハビリ中の須藤警部と動物オタクの薄巡査が動物の世話に向かった先で、その事件を解いていく短編連作ミステリ。
出てくる動物(小鳥・ヘビ・カメ・フクロウ)についても知ることができながら、テンポの良い落語のような会話も楽しく、全体的に重くなくて気楽にミステリも楽しめます。
物語におけるパターンというパッケージがしっかりしているせいか、どこか日常の謎ものに通じるような雰囲気がありますし。
そしてやはり薄巡査という登場人物も魅力的です。
なにしろ「動物と人間とどっちが大切なんだ!」と言われたら、迷いもなく「動物です!」と答える彼女の動物への愛情と深い知識。
それでいて一般常識にはかけてるアンバランスさがなんともいえません。
もちろんペアとなる須藤警部の仕事の鬼で生真面目な感じもいい対比になっているし。
大変面白かったです。個人的には大変好みだし。
これ、シリーズにしてくれないかなぁ。
|
 | 2010-08-25(水) 「誕生!中国文明展」と「アール・ヌーヴォーのポスター芸術展」
(散歩&美術展他) |  |
上野の東京国立博物館で開催中の「誕生!中国文明展」(〜9月5日)と本日から松屋銀座で始まった「アール・ヌーヴォーのポスター芸術展」(〜9月6日)に行ってきました。
「誕生!中国文明展」は会期も残り少ないし、「ポスター」も開催期間が短いですからね。仕事をちょっと横に置いておいて無理やり行ってきたんですよ。
「誕生!中国文明展」。これは会期末も近いので混んでるかと心配していたのですが、入場制限どころか、会場に向かう人もまばら…こんなに空いている東博の展示は初めてかも?
人気ないんですか?それとも暑いから?
展示は誕生と謳うこともあって夏の時代のものから始まり、第1部「王朝の誕生」、第2部「技の誕生」、第3部「美の誕生」に分かれます。
スタートにある夏時代の動物紋飾板これが、とても気に入り。デザイン的にとても可愛いと思うの。
青銅にトルコ石のものでチラシはコレの下の部分だけ。
あとは玉の類が結構あって、これも好き。玉が貴重とされたのが判る美しさがありますね。
時代が下るにつれて玉も加工されていました。
そうそう玉といえば前漢時代の「金縷玉衣」!
遺体を包んだもので、玉によって亡骸を永遠に保てると考えられていたそうですが、そういう力があるのと考えられたのも判るような気もします。
この玉とかアクセサリーの見せ方(展示に仕方)もとても素敵。
展示の仕方が素敵なのは全体的にも言えるんだけど。
「編鐘」なんか暗い中に浮かび上がるようにライトがあたっててとても幻想的でしたね。
第3部「美の誕生」には神仙の世界というコーナーもあって、1つ1つはとてもよいんだけど、でもこの辺りはもうちょっとボリュームが欲しかった!
あとは動物を模したものの可愛いのが多かったので、こちらももう少し!
そういえばこの動物全体的に口を開けているのが多いせいか、ちょっとお間抜けな感じもあって可愛く感じたのかも?
とても面白いものがある展示だし、予想外に空いてて楽しめた展示でした。
上野からは地下鉄で銀座へ、少しでも外を歩く距離を減らしたいという暑さです。
そう言えば、上野公園の大噴水のあたりを再生整備の看板が出てました。
大噴水も新しくするらしい…それはそれで残念なんだけど…。
「アール・ヌーヴォーのポスター芸術展」。
ミュシャにクリムト、エゴン・シーレ、ロートレックなどアール・ヌーヴォーにアール・デコまでのポスター色々。
これ、展示リストがなかったの…。でまぁ、ざっと印象的なものを。
ミュシャ「ジョブ」。これは何度か展示で見てるけど、今回のが一番状態がいいかもしれない。
反対に「ジスモンダ」は顔のあたりに折り目が入っているのが残念。
クリムトの「第1回 ウィーン分離派展」は検閲前と検閲後が並んでました。
「ウィーン分離派展」のポスターは結構あったかも。
その他演劇関係とかちゃんと系統だってるのも観やすかったです。
ポスターはなんといってもチラシになっているスタンラン「ヴァンジャンヌの殺菌牛乳」がとっても可愛かったですわ〜。
これのグッズをもっと作って欲しかった!
ポスターの他にアール・ヌーヴォーな衣装や、化粧小物とかがあって、これがとっても素敵!
衣装はアール・デコのもありました。
ポスター自体もなかなか美しいものも多くて満足!
|
 | 2010-08-24(火) あなたに贈る×(キス)/近藤史恵
|  |
あなたに贈る×(キス)/近藤史恵
理論社、1,260円


●7月新刊●
その病は致死率が高く、キスによって感染する。故にキスは法律で禁止された。
全寮制の学園で一人の女生徒の死んだ。死因はあの病との噂が広まる。
あこがれの先輩にキスをしたのは誰?少女は探し始めた…。
◆ミステリYA!でこれはいいのか?ちょっと思わなくもないけど、作品としては大変好みでした。
キスが死につながるという病の設定、キス=死という図式ががいいですね。
禁忌とされるキス、そのキスがないゆえにどこか歪みがある近未来の世界。
でもだからこそキスに命を賭けるロマンチックな部分もあるのですが、この辺りは思春期故の美しさでもあり、刹那的なものでもあるのでしょう。
それがキス=死という図式にぴったりくるのだと思います。
なんとも切なく、美しい作品でした。
本編も装丁も素敵だけど、あとがきはもっと素敵でした。
|
 | 2010-08-23(月) ヌれ手にアワ/藤谷治
|  |
ヌれ手にアワ/藤谷治
祥伝社/1,680円


●7月新刊●
渋谷モヤイ像の前で一人の老人が倒れた。
ただその際にお宝を隠したという発言をしたのである。
その場に居合わせた5人の男女がその宝を目指すことに…。
◆なんというか勧善懲悪の民話を現代に置き換えてコメディ色を強くしたような物語。
コメディというかドタバタというべきかな。
あまりにもドタバタすぎでちょっと笑えない感じです。
ドタバタの原因は借金夫婦、スキャンダル政治家というあたりなんですが、これがちょっとうるさいと感じる部分があります。
まあ、この辺りがいかにも悪役でまったく同情とかしないので、勧善懲悪でいいのだけどね。
『船に乗れ!』の次がコレだとちょっと落差がツライかも?
|
 | 2010-08-22(日) 吸涙鬼 Lovers of Tears/市川拓司
|  |
吸涙鬼 Lovers of Tears/市川拓司
講談社/1,575円
 
●7月新刊●
母は二十歳で死に、私も同じ病気で二十歳には死ぬだろう。
そんな死を見つめつつ生きていた少女が見つめるのは、転校生の冬馬の走る姿。
◆少年と病で長くいきられない少女との甘くて切ない物語。「ポーの一族」を読んだ時のような読後感がありました。
タイトルで、だいたい内容が判ってしまうのではないでしょうか。
そういった意味でよかったのか、悪いのか微妙ですね。個人的には違う方がいいなぁと思いますけどね。
まあ、違ったラストも望んでましたが、設定も読後感も悪くなし、面白かったとは思います。
ただ部分的にもうちょっとと、思うものはあります。
黒服の男たちに関してはかなり安易な感じだしね。
それに少年の方の物語はもうちょっと読んでみたいものがあります。
|

 |
|  | むつぞー
| | 誕生日 | 2002/9/22 | | 年齢 | 7才 | | 性別 | 女性 | | 血液型 | B | | 職業 | ひみつ | | 現住所 | 東京都 |
| 【トラックバックについて】
TBの受信を一時中止しました。
当方からのTB送信が上手くいかない所もありましたし、ここのところスパムが多いいためでもあります。TBいただいてた皆様ごめんなさい。
ぱらどっくす、ねこしょこ、柊舎の合同企画で『イメージが結ぶ100の言葉と100の本』という変型の『100の質問』も行っています。
参加者おまちしてます! 最近、レンタルや図書館の利用でハードカバーも読むようになりましたが、基本的には予算と収納の問題につき、文庫本を愛用しています。

にほんブログ村




**観たい展示**
|
  
 |
|