柊  舎      http://www.geocities.jp/hiiragisya/

◆本 棚 ◆日 記 ◆散 歩 ◆リンク


無料ブログ、レンタル日記のマイキット プロフィール 柊舎の書庫 ☆柊舎掲示板(おすすめの本や感想など、お気軽に)☆
RSS
柊舎の書庫
むつぞー
2010年 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
3月16日(火)かのこちゃんとマドレーヌ夫人/万城目学
3月15日(月)絵伝の果て/早瀬 乱
3月14日(日)僕の明日を照らして/瀬尾まいこ
3月13日(土)おもてなしの美、パレスチナの民族衣装
3月12日(金)プロメテウス・トラップ/福田和代
3月11日(木)幻人ダンテ、ヴィヴァーチェII
3月10日(水)長谷川等伯とボルゲーゼ美術館展
3月 9日(火)太陽の村、ほかならぬ人へ
3月 8日(月)さよなら、ジンジャー・エンジェル/新城カズマ
3月 6日(土)リスの窒息/石持浅海

2010-03-16(火) かのこちゃんとマドレーヌ夫人/万城目学 ページの上へ

かのこちゃんとマドレーヌ夫人/万城目学
筑摩書房/903円

●1月新刊●
小学一年生の元気な女の子・かのこちゃんとその刎頸の友すずちゃん。
外国語を話す猫・マドレーヌ夫人と彼女の夫である犬の玄三郎。
2人をめぐる物語。 
◆かのこちゃんとマドレーヌ夫人の2人の視点から物語は語られます。
知恵が啓かれたこと、刎頸の友のこと、学校と、夏休みの宿題…元気で微笑ましいかのこちゃんのパート。
猫の集会、猫にとっての外国語=犬の言葉、猫の夫が犬なマドレーヌ夫人のパート。
この2つの重なりはわずかでもあるのですが、でもとても重要であり、そして日常の中にちょっとだけ混ざるファンタジーでもあります。この匙加減が絶妙です。
もっとファンタジックにしてもよかったと、あっさりしすぎかもしれないとも感じるのですが、だからこそ日常の部分が楽しく、心に残るものであったように思います。
友達・夫婦といった関係の素晴らしさを改めて感じます。
優しく温かな気持になれる児童文学と言ってもいいでしょう。
だからこそ、もうちょっと子供が手に取りやすい作りになっていたらな〜と、せめてもうちょっとルビを付けるとか…思いますね。
もちろん大人も楽しい物語です。ぜひ親子で楽しんでもらえたらと思います。


2010-03-15(月) 絵伝の果て/早瀬 乱 ページの上へ

絵伝の果て/早瀬 乱
文芸春秋/1,890円
絵伝の果て
●2月新刊●
時代は応仁の乱前夜。没落した公家の長男である十川迪輔は、跡目をかけて切断されたと思われる絵巻物の謎を解くことを祖父に命じられる。
田舎武者の坂城、河原者のナガレとともに、燃える塔と鬼らしき姿が描かれた絵巻の残る断片を探しはじめた…。
◆タイトルとあらすじからもっと伝奇ものっぽいものを想像していたのだけれど、ちょっと想像と違った感じです。
絵巻物をさがし、その謎を追う…たしかに伝奇ものではあるのだけど、なんというかこれが、ここへつながるのか!といったような知的興奮が足りないんですよね。
時代設定を初め、着地地点とかいろいろ面白いモノを持ってはいると思うんだけど…。
飛び出た物がなくって、どこか散漫な印象の物語になってしまっているのが、とてももったいない感じです。
もっと面白くなりそうなはなしなんだけどなぁ。


2010-03-14(日) 僕の明日を照らして/瀬尾まいこ ページの上へ

僕の明日を照らして/瀬尾まいこ
筑摩書房/1,470円
icon
icon
●2月新刊●
中学2年の春、隼太の母親が再婚し、ひとりの夜が優ちゃんといっしょの夜に変わった。
やさしい優ちゃん、だけどときどきキレて隼太を殴る…。
でも隼太は絶対に優ちゃんを失いたくなかった。
◆母親の再婚で新しく父になった人は普段はとてもやさしいのだけど、一度キレると隼太を殴ります。
父親になった優ちゃんはそれに対し反省をし、母親に打ち明けようとするのを隼太は止め2人で直して行こうとするなかでの隼太の成長の物語であります。
子供に対しての暴力なんて!と、とてもツライ物語でもあるのになんででしょう。切ないほどの読後感は…。
それは2人の間には確かに愛情があったのだと思うからでしょう。
例えそれが歪みがあるものであっても、そして2人がその歪みを正そうとしているものであったから。
学校の中で先を読むようにして冷静なほどに判断する隼太が、例え殴られても離れたくないと思うその心情も哀しくあります。
彼の明日が幸せになることを願い、そして虐待というものがなくなることを願います。


2010-03-13(土) おもてなしの美、パレスチナの民族衣装 (散歩&美術展他)ページの上へ

14日まで開催の美術展を急ぎ2つほど回ってきました。
「おもてなしの美 宴のしつらい」と「パレスチナの民族衣装」です。
会期末キリギリだったけどどちらも空いてたなぁ。

「おもてなしの美 宴のしつらい」サントリー美術館で開催。
おもてなし、宴会をテーマとした展示です。こういうくくりは結構面白いかも。
その宴会や諸行事は季節ごとに変わるもの。
ということで前期は正月の後期はひな祭り&花見が中心となります。
今回は当然のことながら後期・ひな祭りと花見で、まずは雛人形からスタート。
雛人形も素敵ですが、個人的にはそのお道具類がかなり好み。
あの小さいサイズに施された蒔絵とか、うっとりしてしまうくらいキレイ。
そして花見をテーマとした屏風類が続きます。
屏風でお気に入りは「孔雀図屏風」白と緑の孔雀が対となった八曲一双でちょっと大きい屏風。なんかすごく優美だったのよ。
おもてなしとしての宴会の絵が入った絵巻では「鼠草紙絵巻」!
これはとっても可愛らしいんです。
鼠が人間の娘と結婚したものの、鼠であることがバレて逃げられて…というな話らしいです。
ミュージアムショップに本になったのがあったので、ちょっと立ち読みしたんだけどね。
今度買って来ようかな〜と思ってる所です。

宴会といえばお道具類。
酒器、皿、お茶、香に調度。変わったところでは布団生地とかも。
類聚雑要抄指図巻もあるので、どうせならそれを実現化するとか、
単体で並べるんではなく、セッティングした感じが判ると嬉しかったかな。
もちろん器の1つ1つはいいものなんだろうけど。
「御所車桜絵巻提重」なんてすごい素敵だったもん。
提重つまりピクニックセットなんですけど、これがサイズも大きくなくてこんなの1つ欲しいなぁ。宝の持ち腐れなのは判ってるけど(笑)
ちなみにコレ銘銘皿の部分だけショップに売っていたなぁ。

サントリー美術館は今年も年間パスポートを購入しました。
前回からの継続にすれば1割引だとのことですが、1月末できれてるので1ヵ月ブランクがあるという形になりますから、継続は割に合わないので、新規とう形にしてもらいました。期間に行けなかったから〜と間をあけてることなかったかなぁ。
この展示前期も行けばよかったかも…と思ってます。

お天気が良かったのと、先日の「ブラタモリ」を見てたので、
久しぶりに東京ミッドタウン裏の檜町公園へ。
パンとおにぎりを買ってきたので、ここで食べようかと思ったのだけど、風が強くベンチだけではつらいので挫折。(一応テーブルのあるミッドタウンのテラスにて食事しました)

檜町公園も雪柳がちょっと咲き出したり、柳も芽がでてきたりと春が感じられました。


「パレスチナの民族衣装」は文化学園服飾博物館で開催されました。
残念ながら図録も展示リストもなかったのでメモもないんです。
いや〜、図録買う気満々だったんでメモもとらなかったもんで。

見ていて確かに楽しいです。エキゾチックなスタイルが見ててキレイなんですもの〜。
3mちかい長さに三角の袖も2m以上という衣装とか…。
ちなみに裾は着物でいうところの御端折りが床上20cmぐらいまであるということでしょうね。そして袖は片方はショールにし、もう片方は腕に巻いてモノをいれるそうな。(この辺がどうなってるかよく判らない)
地域によってのスタイルの違いや、年代による刺繍の違いといった点も面白いし、考える部分でもあります。
生地の目が細かくなったためクロスステッチの形が変わったり、機械の刺繍になったというのは面白いですみますが、生活のゆとりがなくなり、簡単な刺繍となったというのはパレスチナという地の歴史が透けて見えます。
こういったドレスや代々受け継がれて来た伝統的刺繍の意匠も今や失われつつあるものなのです。

返す返すも図録がないのが残念です。


2010-03-12(金) プロメテウス・トラップ/福田和代 ページの上へ

プロメテウス・トラップ/福田和代
早川書房/1,680円
プロメテウス・トラップ (ハヤカワ・ミステリワールド)
●2月新刊●
かつて天才ハッカーと言われたももの、大学時代にハッキングで逮捕され3年の服役。今は平凡なプログラマとして生活している「プロメテ」。
彼は謎の男からICチップ解析を依頼されるが…。
◆システムとかコンピュータの事、ハッキングについても詳しくありませんが(だからこそ?)とても面白かったです。
ハッキングについての詳しいお仕事(?)の部分を期待してたんだけど、ちょっとちがいました。そうハッキングを使ったコンゲームって感じでしょうか。
期待とは違ってたけど、だからこそ面白かったのかも。
連作短編で1話ごとにちゃんとヤマがあってどんでん返しもあり、なんかまさにドラマを見ているよう。しかもそのうえヒキがよくってまさに「続く」が出てくる感じです。
これが軽めにまたテンポよくしているのかもしれません。
この辺が上手くって、どんどんページをめくってしまいまいました。
もちろん登場人物も魅力的でしたしね。
もう少し描いても良かったのでは?と言う部分はありますが、それは贅沢と言う感じかも。
素直に面白かったですし、もっともっと読んでいたかったです。


2010-03-11(木) 幻人ダンテ、ヴィヴァーチェII ページの上へ

幻人ダンテ/三田誠
講談社/1,008円
icon
icon
●2月新刊●
一見少女のように見える探偵は道端で記憶をなくした俺を拾った。
探偵が追っているのは、他人に擬態する仮面の怪人・ダンテ。
ダンテはかつての依頼人へと予告状を送り殺していたのだ…。
◆作者いわく、ミステリ風の作品。
確かにダンテの存在はミステリ的には反則でもあるし、それに謎解きを楽しむものでもありません。
どちらかと言えばちょっとアンティークな怪奇小説をライトノベルの風味で仕上げたとう感じでしょうかね。
探偵に怪人、背後に匂わされた薔薇城事件といった道具立てや仮面をつけることについての会話とか面白いものがあります。
だがしかし、「だから何をしたいの?」と言いたくなってしまうような中途半端な印象なんですよね。
もっと一つの事件をじっくり描いた方が面白くなりそうなんですけど。

ヴィヴァーチェII 漆黒の狙撃手/あさのあつこ
角川書店/1,575円

●1月新刊●
ヴィヴァーチェ2号の乗組員となったヤン。
しかし積荷はクーデターを逃れた、王家の護衛兵士と王女だった…。
◆舞台は宇宙に移り、新たな船の乗組員という登場人物紹介に、追っ手とのバトルありと大変面白く読みました。
暗さをもった1巻目とはちがい、テンポもよく面白いんだけど「え〜、ここまで?」という感じが強いです。
いったいこの物語がどっちへ進んで行くのかも判らないし…。
ともかく早く続きが出てくれることを望むばかりです。
でも、このペースで行くと結構長い物語になるかも?


2010-03-10(水) 長谷川等伯とボルゲーゼ美術館展 (散歩&美術展他)ページの上へ

仕事の隙間をぬって無理やり没後400年特別展「長谷川等伯」と「ボルゲーゼ美術館展」へ行ってきました。

昨日の寒さが一転の温かさで「長谷川等伯」展は混んでましたね〜。
雨から雪という昨日なら空いてたのかな〜と思うのだけど、仕事の都合もあるし仕方がない。
そもそも人気の割に展示期間が短いので混むのは決定している展示だと思います。
ということでまずは東京国立博物館で開催中の没後400年別展「長谷川等伯」(〜3月22日まで)

スタートは能登の絵仏師・長谷川信春。
能登七尾の出身で長谷川信春を名乗っていた頃に日蓮宗の寺院で描いていた仏画の軸物です。
法衣の模様も精緻な「日蓮聖人像」、能登では広く信仰されているのか「鬼子母神像」も。
個人的お気に入りは「善女龍王像」。小さいんですが龍も素敵で品があります。
それと「三十番神図」。日替わりで一ヶ月間を守護する神仏図で、当然神様が30人いらっしゃいます。背景には関連物が描かれてたみたいです。
これ、拡大したパネルとか欲しかったな〜。
ここに「仏涅槃図」が1つあります。あとの方に「仏涅槃図」がありますので、つい比べたくなりますので、これから観る方はじっくり覚えて置いて下さいね。
私はあとから見に戻りましたけど、人が多くて…。結局は図録で見比べました。

上洛してからの物は屏風や襖とか、全体的に作品が大きくなったと思います。
混んでて後ろの方からでもちょっと見やすくなった感じです。
題材も仏画から「牧馬図屏風」や「山水図」とかになったのも大きいかも。
そんな中で眼を引くのは「山水図襖」。
一面に桐の紋が散らされた上に描かれた山水画なんですが、キラキラとしているからだけでないものがあります。

肖像画へ移る前に大徳寺の壁画天井画のパネル展示があります。
まあ、これはもってこれないもんね。
天井画は布にプリントしたものが天井にありますので、気分が味わえるだけ◎かな。
肖像画の所には有名な「千利休像」もあります。
ここのところ茶道具に興味があるせいか、ちょっとおお!と言う感じでした。
前期には「武田信玄像」もあったらしい。残念。
肖像画で落ち着いたあとはど〜んとすごいのが続きます。
国宝の「楓図壁貼付」「松に秋草図屏風」など!
ここはどれも素敵だったのだけど、特にお気に入りは緩やかに湾曲した橋が美しい「柳橋水車図屏風」と風をも感じるような「萩芒図屏風」、迫力の「波濤図」ですね。

第2会場に本法寺蔵の「仏涅槃図」があります。
縦10m×横6mという巨大なものです。天井から吊ってますが、それでも高さが足りないため途中から折って垂らしているのが、もったいない…。
でも東京で見せてもらっただけ◎なんででしょうね。
展示の仕方は今ひとつですがこの大きさもあってかなりの迫力。
涅槃の悲しむ人の中にいるような気もします。
最初にあった涅槃図と似てる気がしますが、絵の持つ力が違って感じるのは決して絵の大きさだけではないと思います。

この後からは水墨画の世界。ここから最後の「松林図屏風」へとつながる流れは良かったですよ〜。

ここの水墨画にある猿のぬいぐるみが売ってました。
もうちょっとふわんふわんだったらいいのに…とは思うけど、ちょっと可愛かったです。



東京都美術館で開催中の「ボルゲーゼ美術館展」(〜4月4日まで)
混んでた「長谷川等伯」とは一転かなり空いてました。もうなんで?と言うくらい。
その分ゆったりと観ることができて良かったけど。
ボルゲーゼ美術館は、17世紀に教皇庁で権勢を誇ったシピオーネ・ボルゲーゼ枢機卿の美術コレクションとそれを収めるために建てられた邸宅に端を発するそうで、そのシピオーネ・ボルゲーゼ卿の胸像(ベルニーニ作)や卿をオルフェウスに例えたモザイク、ボルゲーゼの館の版画などボルゲーゼ家の紹介から展示はスタートです。
ちなみにこの館もなかなか素敵な物のようです。
内部の装飾もすごいし、ベルニーニの「アポロンとダフネ」とかもあるし、映像で見ただけでもうっとりしちゃいます。一度いってみたいもんですね。
そうそう、ボルゲーゼの館は支倉常長が歓待された館でもあるそうで、支倉常長像も特別出品されてました。

このボルゲーゼ美術館はルネサンス・バロック美術の宝庫だそうで、かなり好みの作品が15世紀〜17世紀へと、だいたい年代にそって展示されてました。
ということで早くもボッティチェリ工房による「聖母子、洗礼者ヨハネと天使」。
チラシにもなっているラファエロの「一角獣を抱く貴婦人」が登場します。
さてこの「一角獣を抱く貴婦人」。この一角獣の部分の上に車輪などが描きこまれ聖カタリナとされていたそうな。
模写だけどレオナルド・ダ・ヴィンチ「レダ」(やっぱり色っぽいよ〜)とかもあります。

16世紀のルネサンス絵画に入ると、知らない画家になりますが、絵はとても好みなのも多かったですね。
ギルランダイオ の「レダ」と「ルクレツィア」。
これは対になっていているバストアップの絵なんだけど、どちらも宝飾も細かく描かれているのも好きだし、なんというかこちらに向けられた眼がね〜。
もう「惚れてまうやろ〜」ってくらい力があるんですよ。
作者不詳の「我に触れるな(ノリ・メ・タンゲレ)」。
苦悩が伝わってきそうなカラッチの「聖フランチェスコ」などなど。

このボルゲーゼ美術館展でのもうひとつの目玉がカラヴァッジョ。
口論の末に殺人を犯し、恩赦を期待して贈られる予定であった「洗礼者ヨハネ」。
カラヴァッジョの影響を大きく受けた画家の作品と続きます。
このあたりも大変見ごたえありです。

ただ…全体的にゆったりとした展示なのはいいんですが…。
ちょっと作品数が少ないのが残念でしたね。

さて 東京都美術館はこの展示が終わると改修工事に入ります。
リニューアル開館は平成24年度。
改修後どんなに便利になっているか、そしてリニューアル記念の展示がなにになるか…とても楽しみですね。


2010-03-09(火) 太陽の村、ほかならぬ人へ ページの上へ

太陽の村/朱川湊人
小学館/1,680円

●1月新刊●
家族でハワイより家でゲームをしている方が良かったのに…だけどハワイ帰りの飛行機が事故を起こす。
目が覚めると、そこは浜辺の村。電気もガスもないし、年貢に仇討ち?
もしかしてタイムスリップ?
◆デブでオタクを主人公がまったく違う環境で成長して行く物語。
人を作るのは確かに環境なのかもしれません。
ともかくヲタな話も散りばめられたコメディな話です。
どちらかと言えば泣ける系の作家というイメージでしたが、こんなに笑える話も書かれるとは!
チョッピリ感じるブラックな味わいも好きですね。
ともかく細かいことは気にせず、素直に読んで楽しんで欲しい作品でもあります。

ほかならぬ人へ/白石一文
祥伝社/1,680円

「ほかならぬ人へ」と「かけがえのない人へ」の2編収録。
第142回直木賞受賞作
◆財閥の家に生まれ、「俺はきっと生まれそこなったんだ」と自分に劣等感を抱いている主人公を描いた「ほかならぬ人へ」と、婚約者がいるのに、上司の黒木とも縁が切れずにいる女性を描いた「かけがえのない人へ」。
どちらも自分にとっての大切な人、ベストの相手とは…を問う作品であります。
運命の相手がいるはず。なんというかそれは純粋な愛なのかもしれないけど、一方で利己主義の言い訳にしか見えません。
もちろん結婚したからにはそれを守れという訳でも、浮気なんて…という訳でもないのですが…。
読みやすい文章だし、難しい作品だと言うわけでもなく、面白くないという訳でもありません。
でも面白いかと聞かれると、ちょっと迷ってしまいます。
何と言うか好みじゃなかったと言えばそれまでなんだけど…。


2010-03-08(月) さよなら、ジンジャー・エンジェル/新城カズマ ページの上へ

さよなら、ジンジャー・エンジェル/新城カズマ
双葉社/1,470円
icon
icon
●1月新刊●
警察官の泊司郎が意識を取り戻したその世界は「シキイ」。
現実と切り離され、つまりは幽霊になってしまったとも言える。
しかたなく生前と同じように派出所の立ち番を続け、やがて本屋でバイトしている女子大生・継美が気になって…。
◆「シキイ」の世界の法則とかはとても面白く、継美のバイトことも楽しく読みました。特に書店バイトの話は楽しいです。
司郎と継美の物語としてなら、とても満足ではあるのだけれど、「シキイ」の世界のこととかを初めとして、後半部分的に置いていかれてしまった感じがします。
数式を解く途中の一行を見落としたか公式が判らず理解出来なかった…そんな感じなんです。
これ以前に書かれた物語が関係するの?それとも今後描かれる物語があるということ?
「ナルニア」の話はそういう事なんだよ、って言ってるのかしら?
ともかく、この作者のまだ読んでいない作品を読んでみるつもり。読みたい作品もある事だしね。


2010-03-06(土) リスの窒息/石持浅海 ページの上へ

リスの窒息/石持浅海
朝日新聞出版/1,680円
icon
icon
●2月の新刊●
秋津新聞社に届いた一通のメールには拘束された女子中学生の画像が付いていた。
そして新聞社に身代金が要求される。
しかしそれは少女が友人とともに企てた狂言誘拐で…。
◆父親が母親とその浮気相手を殺して自殺。今後の為にお金を入手しようと企てた誘拐。
一方新聞報道により人死をだし、死者を出すことを恐れる新聞社。
冷静に狡猾な女子中学生とそれに翻弄される新聞社の対比。
このあたりは誘拐物として、特に無関係な被害者の為に身代金を払うのかというテーマはとても面白いものがあります。
ただこの作品で印象的なのはやはり少女たちの方でしょう。
この少女たちがあまりにも怖く、また哀れでもあります。
両親の死体を前に短時間で狂言誘拐などという手法を考えつくでしょうか?
それは、ありえないと思います。
いつか母親の浮気が発覚し最悪の事態をも想定していた少女。なにかあった時、どうやってお金を得るかを考えた時に、狂言誘拐という手法も考えていたのではないでしょうか。こんな狂言で警察までも騙せるわけはないのに…。
そんな事をずうっと考えていた少女が可哀想と感じる一方で、真面目に働くということではなく、犯罪をも考えてしまうことの怖さ、そして友人を家に誘ったのは本当に偶然なのかと思ってしまうのです。
歪んでしまった少女たちの毒々しいまでの黒さは読後感の悪さにはつながるんだけど…。






無料ブログ、レンタル日記のマイキット プロフィール リスの窒息/石持浅海 ☆柊舎掲示板(おすすめの本や感想など、お気軽に)☆ お気に入りの日記を記録 RSS
むつぞー
誕生日 2002/9/22
年齢7才
性別女性
血液型
職業ひみつ
現住所東京都

【トラックバックについて】
TBは受け付けられるのですが当方からのTB送信が上手くいかない所(FC2/JUGEM等)あるようです。
ということで、相互TBはできない場合がありますがTBは受け付けておりますので、よろしくお願いします。

ぱらどっくすねこしょこ、柊舎の合同企画で『イメージが結ぶ100の言葉と100の本』という変型の『100の質問』も行っています。
参加者おまちしてます!
最近、レンタルや図書館の利用でハードカバーも読むようになりましたが、基本的には予算と収納の問題につき、文庫本を愛用しています。


にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村



むつぞーの今読んでる本
むつぞーさんの読書メーター

あわせて読みたいブログパーツ

**観たい展示**


カテゴリー
散歩&美術展他(78)
レポート(16)
たら本(10)
過去の日記
2010年03月
2010年02月
2010年01月
2009年12月
2009年11月
Web mykit.jp






with Ajax Amazon

  • seo

ゲーム専門学校  アフィリエイト入門  ホームページ作成  すりばち  プレゼント